授乳中も体のめぐりを良くしましょう
2023年8月16日

おっぱいのトラブルの中で多いのが、おっぱいが出る乳管のつまり。結果、乳汁のうっ滞(胸全体の張りや一部のしこりなど)が生じてきます。結果、乳腺炎まで進む場合もあります。

赤ちゃんの吸着が適切でない場合、母乳の分泌が多い場合、赤ちゃんにしっかり飲みとられていない場合などに多い症状です。(分泌が多いと思っている方でも、実際拝見すると、分泌が多いわけではなく、飲みとれていないというケースも多いです)
分泌された母乳がスムーズに排出されないことが原因になります。

他にも、きついブラジャーをしている抱っこひもママの指授乳中いつも同じ場所を圧迫している)など、乳管の物理的な圧迫、循環不良が、乳汁排出の低下、乳管のつまりを起こすことがあるのです。

乳房はたくさんの血管、リンパ管の支配を受けており、それらの循環をなるべく良好に保つことは、母乳の分泌においてとても大切です。

訪問したママの中にも、「抱っこひもを長くつけていた日は、なんとなくおっぱいの調子が悪いんですよね」とおっしゃっていた方がおりました。

先日お伺いした方は、左側の脇から上腕にかけて筋のように硬くなった部分が気になるというご相談でした。拝見すると血管、リンパ管が怒張しているかのような盛り上がりが筋のようにあり、乳房と関係があるか判断しかねる症状でした。ただひとつ気になったのが、授乳期にしては、きつめのきちんとした下着を比較的長時間つけていらっしゃることでした。授乳中は循環を良くするために、きつい下着は避けること、念のため乳腺外科の診察をお勧めしました。

受診の結果は、モンドール病というものでした。皮下静脈の血栓により生じる血栓性静脈炎(またはリンパ節炎)で、通常数週間から一か月程度で自然によくなるもの。

原因は激しい運動や過度の労働、そして、きつい衣類や下着などで局所的に血液やリンパ液の流れが悪くなることなど。

脇から腹部または脇から腕にかけての線状ないし索状のしこり。(乳房に生じた場合、乳がんの合併率が比較的高いので乳がん検診を受ける必要がある)

私も初めて拝見する症状でしたので、医師の診察を受けていただいてよかったと安心いたしました。皮膚科に受診するケースが多いようです。授乳期を含め、身体の循環を良くすることの大切さを実感したケースでした。

 

現代人は60年前と比べて0.5℃以上も体温が下がっており、低体温が女性の体調の不調を招いている場合が多いそうです。

身体が冷えていると、出てくる母乳も冷えていることがあり、つまりの一因になるようです。連日猛暑日が続いておりますが、授乳中の方は、冷えにも注意してほしいと思います。腕や肩、足が広く出る格好を常にしていたり、肩を出しながら授乳をしていると、冷房を入れた室内では冷えてしまいますし、冷たいものを多くとると胃腸から体が冷え、循環に影響を及ぼすでしょう。

身体は繋がっています。おっぱいの為にも、冷えて循環が悪くなるような生活をしていないか、授乳時期こそ気にしてほしいものです。

 

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