赤ちゃんが起きない ー 母乳育児コラム
2023年5月18日

赤ちゃんがぐずって泣いてばかりいるのは大変ですが、眠りがちで泣いて欲しがらないという赤ちゃんもいますね。

 

特に入院中から数週間の早い時期、統計はないと思いますが、一定数の赤ちゃん、そして私の病院勤務の経験からですが増えてきている印象があるのです。

生まれた時の体重が小さめであったり、早産など、体力的に胎外環境に適応するのに時間のかかる場合があります。(妊娠週数、出生体重だけの問題というわけではありません)

日本は出生数が低下しているのに低出生体重児の割合が多い国です。それも一因かもしれません。

 

赤ちゃんのそのような様子をみて、心配になるお母さんがいる一方、「手のかからない子で助かる」「欲しがるときにあげたらいいよね」と思ってしまう方もいます。

 

哺乳量が不足すると赤ちゃんの体力も不足し、さらに傾眠(起きない、泣けない)体重が増えないというループに陥ることがあります。

 

母乳育児は基本的には自律授乳といって、‘‘赤ちゃんが欲しがるときに赤ちゃんが欲しがるだけあげましょう”というものですが、そもそも赤ちゃんが体力があり、起きてほしがる、サインを出せることが必要になります。赤ちゃんにとって、母乳を飲むことも体力を必要とします。

 

体力不足で有効に母乳を飲みとれないとき、搾乳やミルクの補足の必要もあるでしょう。まず早い時期に赤ちゃんの栄養を満たす(体重、体力を適正に増やす)ことが、母乳育児を軌道にのせる近道となることもあります。

 

一方、お母さんも赤ちゃんの空腹のサインを見逃さないようにして授乳することも大事です。

赤ちゃんはぐっすりの睡眠➡浅い睡眠➡うとうと➡静かな覚醒➡活動的な覚醒➡啼泣(泣く)と段階的に起きます。しっかり泣くまで待つと遅いことがあります。うとうとくらいからチャンスをみつけて飲ませる工夫をしてみましょう。

赤ちゃんが吸うように口を動かす、吸う時のような音をたてる、手を口に持っていく、目は閉じているけど眼球は動いている、柔らかい声をだす、もぞもぞ動き出す、むずかる、など。ぐっすり眠りつづけているときは少ししげきして飲ませる必要もあるかもしれません。

 

覚醒のサイン?わからないし、どうしたって起きず飲んでくれないというようなときは相談が必要です(脱水や黄疸、ほかの不調が隠れている場合もあります。)

 

わからなくて不安な時は、一人で悩まず、相談してみましょう。客観的に見てもらうことで少し安心でき、楽になることもありますよ。

 

 

お問合せ
045-900-8970