どちらもおっぱいをやめることを意味しています。
簡単に言うと、断乳はお母さんの意思でやめること、卒乳は赤ちゃんの意思でやめること。
赤ちゃんの意思で母乳育児が終わるなんてあるの??
それが、どの時期でも、赤ちゃんが急に飲まなくなったりすることあるんですね。でも、経験上、お母さんがもうやめようと決心してやめる断乳のほうが多いと思います。
世界の卒乳年齢の平均は4歳くらいだそうです。
断乳の時期ですが、なぜか1歳頃と決める人が多いですね。断乳のほうが多い印象なのはそのためかもしれません。自身や赤ちゃんの事情で、また、お仕事に復帰するから、などの理由で断乳する場合もありますが、経験的には”なんとなく、一歳になったから”という方がとても多いです。周りにも、そろそろやめたほうが、と断乳を勧められたりする時期です。以前から慣習的に多くの人がそうしてきたからでしょうね。
1歳を過ぎると急に母乳の栄養的なデメリットがあるというわけでもないので、子が欲しがっていて、お母さんもまだあげたいと思っているなら、無理にやめる必要はないと思いますよ。
私事ですが、我が子の卒乳は4歳でした。やめるのが寂しくて自ら断乳できなかったのです。飲まなくなるまであげようと思いました。1歳半で仕事復帰しましたが、家にいるときと夜間は母乳飲んでいました。食欲も旺盛な子でしたので、三食もりもり食べてました。疲労もたまり体調を崩しやすかったので、今から思うと、よくできたなと思います。別に長期の母乳を勧めているわけでははありません。なんとなく、とか、周りに言われたからというのではなく、お母さん自身が考え納得のいく時期を選んでほしいと思うのです。
ところで、従来の離乳食は補完食という考え方に変化してきています。一般的に離乳食のイメージは、母乳・ミルクから食事に置き換えていくというものですが、補完食は母乳だけでは足りない栄養を食事で補っていくという捉え方になっています。食事が始まっても、特にはじめの時期は、母乳やミルクがベースとなっており、無理に母乳を減らしていく必要はなく、欲しがるときにあげてよいのです。徐々に食事だけで栄養を補うことができればいいので、母乳を減らしていかなければと焦るお母さんにはやりやすいかもしれません。ただ、食事の始まりを遅くしたり、進めなくてもよいというのではなく、従来の離乳食と始める時期は変わりません。赤ちゃんの成長のための十分な栄養を、食事で母乳に補っていくという視点ですすめていくものなのですね。
一方、赤ちゃんの食事が始まると、自然と母乳の回数が減った、あまり飲まなくなった、ということもよくあります。食事(栄養)の量が十分であれば自然に任せてよいと思います。ただ、おっぱいのほうは、その過程でトラブルを起こしやすいのも確かです。おっぱいがたまりやすく、いつも重い、しこりがある、など調子が今一つの場合は注意が必要です。
赤ちゃんの食事を進めている時期でおっぱいの調子が気になる場合、断乳や卒乳の前後などは乳腺炎を予防する意味でも早めのケアをおすすめします。