母乳育児について (母乳をうまく飲ませられない、飲んでくれない)
2024年7月9日

訪問専門の産後ケアを行っていますが、出産したら母乳が自然と出て、赤ちゃんもすぐに吸い付いて飲むものと考えている方が多いと感じます。

妊娠中は、母乳が出たらあげたいと思っていたけど、こんなに苦労するとは思わなかったとおっしゃる方は多いです。また適度な混合授乳でと考えていても分泌量や乳房の状態、赤ちゃんの状態などから簡単にはいかないこともあります。

実際、出産を終えると身体の中では母乳分泌への変化、準備が始まりますし、赤ちゃんも個人差があるものの母乳を飲もうとする力があります。

しかし、様々な原因でうまく吸わせられない、吸ってくれない、と困ってしまう方は意外と多く、そのまま退院を迎えるケースも多いのです。

産後早い時期からの頻繁な授乳や、その度に赤ちゃんが飲みとる母乳量(うまくいかない場合は搾乳が必要になる場合も)により、徐々に母乳分泌量がコントロールされ、母乳分泌が確立されていくことになるのですが、うまくスタートできていないケースが多いというのが実感です。

産後早期、分泌が少ない時期から、授乳練習は必要です。産後の身体は疲れており大変ですが、休憩を取りながら、ママと赤ちゃん、お互い上達を目指して繰り返し練習です。
一見、飲んでいるようでも上手く飲みとれていない場合、乳汁が滞ることで乳腺炎の原因になったり、分泌量が増えない・減っていくことになります。
また、母乳分泌の確立という点でも赤ちゃんの欲求に合わせた授乳がとても大事なのですが(産後早い時期は赤ちゃんが眠りがちで起きなかったり、難しいこともあります)、5分づつ・3時間毎など時間を決めての授乳を繰り返すことは、赤ちゃんの必要量に合わせた適度な分泌量コントロールが行われにくく、特に分泌過多の方の場合、トラブルの原因になることがありますので注意が必要です。

 

入院中、授乳がなかなかうまくいかず不安なまま退院して途方に暮れてしまったり、母乳をあきらめる気持ちになったり、困っているうちにトラブルになったり・・・身体の疲れもとれていないので心身共に疲弊してしまいますね。

うまく吸わせられない、飲んでくれないと、拒否されたようで悲しくなったりしますね。母乳やママを嫌がっているのではないのですよ。お互いうまくできなくて困っているのですね。

原因や対処はそれぞれ違います。早めの相談が改善につながりやすいと思います。

 

 

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